舌下免疫療法はオンライン診療で続けられる?通院の負担を減らす方法
- 【読み】
- 【呼称】
舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対して行われる治療法の一つです。毎日薬を飲みながら長期間にわたって治療を続けるため、「毎回クリニックへ通うのが難しい」「オンライン診療を組み合わせて治療を続けられないか」と考える方もいるでしょう。
舌下免疫療法では、治療開始時に検査や初めて薬を飲む際の確認などが必要です。一方、治療を開始した後は、患者さんの状態や医師の判断などにより、オンライン診療を組み合わせられる場合があります。
この記事では、舌下免疫療法をオンライン診療と組み合わせる場合の考え方や、治療を継続する際の注意点について解説します。
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)が含まれた薬を舌の下に含んで服用する治療法です。
国内では、スギ花粉症に用いられる「シダキュア」や、ダニアレルギー性鼻炎に用いられる「ミティキュア」があります。
舌下免疫療法は、毎日薬を使いながら長期間にわたって治療を継続します。一般的な治療期間は3~5年程度とされています。
治療費や保険適用については、「舌下免疫療法は保険適用?アレルギー治療の費用について」で詳しく解説しています。
舌下免疫療法はオンライン診療で続けられる?
治療を継続している患者さんが、オンライン診療を組み合わせられる場合があります。
ただし、舌下免疫療法を開始するときからオンライン診療だけで完結できるとは限りません。
たとえばシダキュアでは、治療を始める前にスギ花粉症であるという正確な診断が必要で、初めて薬を飲むときは医師の立ち会いのもとで行います。ミティキュアについても、治療開始前にダニアレルギー性鼻炎の正確な診断が必要です。
そのため、治療開始時には対面での診察や検査、初回服用時の確認などが必要になります。
一方、治療を開始した後は、症状や薬の服用状況、副作用の有無などを確認しながら、医師の判断でオンライン診療を組み合わせられる場合があります。
オンライン診療は、すべての通院をなくすことを意味しません。患者さんの状態や診察内容によっては、対面での受診が必要になります。また、オンライン診療を受けた場合でも、薬が必ず処方されるわけではありません。
なぜ舌下免疫療法とオンライン診療を組み合わせるの?
長期間の治療では、定期的な受診を続けることが重要
舌下免疫療法は、毎日薬を使いながら長期間にわたって治療を継続します。
仕事や育児、介護などで通院時間を確保することが難しい場合、定期的な通院が負担になることがあります。
オンライン診療を利用できる場合には、自宅などから医師の診察を受けられるため、通院にかかる移動時間や待ち時間の負担を抑えられる可能性があります。
治療を続けるための選択肢の一つになる
厚生労働省も、持病などで定期的な通院が必要な場合に、オンライン診療と組み合わせることで治療を継続しやすくなったケースを紹介しています。
ただし、オンライン診療がすべての患者さんに適しているわけではありません。医師が対面での診察が必要と判断した場合は、クリニックを受診する必要があります。
舌下免疫療法をオンライン診療と組み合わせる場合の流れ
| ステップ | 診療形式 | 内容・ポイント |
|---|---|---|
| STEP 1.診察・適否の確認 | 対面 | アレルギーの原因を確認し、治療が受けられるか確認します。 |
| STEP 2.検査・初めての服用 | 対面 | 必要な検査を受けます。初めて薬を飲む際は医師のもとで行い、少なくとも30分は安静にして経過を観察します。 |
| STEP 3.自宅での治療開始 | 自宅 | 医師の指示に従い、毎日決められた時間に薬を服用します。 |
| STEP 4.オンライン診療の確認 | 対面 / 相談 | 治療が落ち着いてきたら、オンライン診療へ切り替えられるか医師に相談します。 |
| STEP 5.継続治療 | オンライン / 対面 | 症状や副作用の有無を相談しながら治療を続けます。状態によっては対面診察が必要になることもあります。 |
シダキュアを使用している場合のオンライン診療
シダキュアは、スギ花粉症に対する舌下免疫療法に使用されるお薬です。
治療開始前にはスギ花粉症であるという正確な診断が必要で、初めて使用する際は医師の立ち会いのもとで行います。そのため、治療開始時には対面での診療が必要です。
治療開始後については、患者さんの状態や治療経過などを踏まえて、医師がオンライン診療を利用できるか判断します。
シダキュアの具体的な飲み方や注意点については、「シダキュア(一般名:スギ花粉エキス原末)とは」も参考にしてください。
舌下免疫療法を続けるうえで注意したいこと
治療の中断や服用方法の変更を自己判断で行わない
舌下免疫療法は長期間継続する治療ですが、服用の期間や方法は患者さんの状態によって異なります。
また、安全管理や経過観察の観点から対面診療を基本とする医療機関もあります。オンライン診療の導入状況や利用条件については、事前に医療機関へご確認ください。
「通院できないから薬を一時的にやめる」「まとめて飲む」など、自己判断で服用方法を変更することは絶対に避け、必ず医師に相談しましょう。
副作用が疑われる症状がある場合は医療機関へ相談する
舌下免疫療法では、口の中やのどの腫れ・かゆみなどの副作用がみられることがあります。
シダキュアでは、重大な副作用として息苦しさやアレルギー反応(アナフィラキシーなど)があらわれることがあります。気になる症状がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。息苦しさなど緊急性が疑われる症状がある場合は、オンライン診療にこだわらず、すぐに医療機関を受診してください。
オンライン診療だけで対応できないケースもある
厚生労働省のガイドラインでも、緊急を要する症状など、医師がオンライン診療を行うことが適切でないと判断した場合には、対面診療へ切り替えることとされています。
舌下免疫療法でも、症状や治療状況によって対面受診が必要になる場合があります。
オンライン診療を利用すると、通院の負担はどう変わる?
オンライン診療を利用できる場合、自宅などから診察を受けられるため、医療機関までの移動時間や待ち時間などの負担を抑えられる可能性があります。
特に、長期間にわたって定期的な受診が必要な治療では、対面診療とオンライン診療を適切に組み合わせることが、通院の負担を減らす大きな選択肢になります。
ただし、オンライン診療を利用できる頻度や対面診療が必要になるタイミングは、医療機関や患者さんの状態によって異なります。
舌下免疫療法のオンライン診療についてよくある質問
Q.舌下免疫療法は最初からオンライン診療で始められますか?
A.治療内容によっては、初回からオンライン診療だけで開始することはできません。シダキュアでは、治療開始前にスギ花粉症の確定診断が必要で、初めての服用は医師の指導のもとで行うためです。
Q.シダキュアをオンライン診療で処方してもらえますか?
A.すでに治療を継続している患者さんであれば、医師の判断によりオンライン診療で処方してもらえる場合があります。ただし、オンライン診療を受ければ必ずお薬が処方されるわけではありません。診察の結果、対面での診察が必要になることもあります。
Q.オンライン診療なら通院は一切不要ですか?
A.いいえ、通院がまったく不要になるわけではありません。患者さんの体の状態や診察内容によっては、対面での診察が必要になります。
Q.舌下免疫療法はどのくらい続けますか?
A.舌下免疫療法は長期間継続する治療です。一般的には3~5年程度の治療が推奨されています。具体的な治療期間については、患者さんの症状や治療方針によって異なるため、医師に確認してください。
まとめ|舌下免疫療法では、オンライン診療を組み合わせられる場合があります
舌下免疫療法は、毎日薬を使いながら長期間にわたって治療を続けるため、定期的な受診の負担が気になる方もいるでしょう。
オンライン診療に対応している医療機関では、治療を継続している患者さんが、状態や治療内容に応じてオンライン診療を組み合わせられる場合があります。
ただし、治療開始時には検査や初回服用時の確認などが必要になる場合があり、オンライン診療だけですべてを完結できるわけではありません。
舌下免疫療法に関しては対面診療を基本とする医療機関もあります。「自分の治療でもオンライン診療を利用できる?」と考えている場合は、現在の治療状況を伝えたうえで、主治医や受診する医療機関へ相談してみましょう。
この記事の監修者
大津和弥
【所属】
大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック 理事長
市立ひらかた病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 音声外科 センター長
【経歴】
1999年3月三重大学医学部卒業
1999年5月~三重大学附属病院で研修
2000年~市立四日市病院勤務
2006年~三重大学附属病院勤務
(2007年1月~4月 国立がんセンター東病院研修)
2012年~三重大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師(専門は頭頸部癌)
2014年4月~小松病院で一色信彦、田邊正博の音声外科医師の指導の下音声外科手術を研鑽
2021年10月~市立ひらかた病院耳鼻咽喉科部長
2022年~市立ひらかた病院耳鼻咽喉科主任部長、音声外科センター長
大阪医科薬科大学臨床教授
2024年4月~現在は大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック 院長
市立ひらかた病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 音声外科センター長併任
【資格】
喉頭形成手術実施医認定
日本耳鼻咽喉・頭頸部外科学会 補聴器相談医
日本耳鼻咽喉・頭頸部外科学会 専門研修指導医
難病指定医
補聴器適合判定医
参考文献
- 厚生労働省「オンライン診療について」
- 厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
- 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
- 厚生労働省「オンライン診療に関する広告等について」
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU/5,000JAU お薬の説明書(添付文書)」
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU/5,000JAU 患者向医薬品ガイド」
- 厚生労働省「舌下投与用スギ花粉エキス原末錠の使用に当たっての留意事項について」
このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。
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