舌下免疫療法は保険適用?アレルギー治療の費用について
- 【読み】 ぜっかめんえきりょうほう
- 【呼称】 -
アレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法というものがあります。これはアレルギーを引き起こす体質そのものを改善するというもので、治療は長時間かかりますが、効果があれば発症を有効的に抑え込むことができるとされています。
そんな免疫療法ですが、治療費は一体どれくらいかかるのでしょうか?この記事では治療にかかる費用や保険適用、またお子さんの治療などについてまとめて解説いたします。
ご自分あるいはご家族が花粉症やダニアレルギーに悩んでいて、アレルゲン免疫療法が気になっているという肩は是非参考にしてみてください。
アレルギー治療の舌下免疫療法
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、舌下免疫療法というアレルギー治療法があります。
舌下免疫療法とは、ごく少量のアレルゲンを含む薬を体内に取り込んで、免疫機能を慣れさせて過剰反応が起こらないようにするというもので、くしゃみや目のかゆみを抑える従来の対症療法とは異なり、体質改善によって根本的な治療が期待できます。
目や鼻、のどのアレルギー症状を長期にわたって抑え込むことができ、ほとんど発症しなくなったという人もいます。あるいは軽度なレベルに和らげることができるため、従来使っていた対症療法用の薬を減量できるようになることも多いです。
ただし副作用が起こることもあります。おもに口の中や唇、のどの腫れ・かゆみ・不快感・異物感ですが、まれにアナフィラキシーショックなど重大な副作用が起こるケースもあります。
現時点では舌下免疫療法はすべてのアレルギーに効果を発揮するわけではなく、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎と確定診断された場合のみ使うことができます。
治療は長期間にわたり、毎日3~5年ほど継続して服薬する必要があります。薬代は保険適用になるのですが、費用については後ほど詳しくご説明します。
また、スギ花粉症は1~2月頃の春先から発症しますが、舌下免疫療法は少量のアレルゲンを体内に入れるため、発症時期よりも早い時期(11月頃など)から治療を開始するのが適切です。
治療方法
舌下免疫療法の治療方法は、1日1回、舌の付け根付近に薬を一定時間置いておき、その後で飲み込むだけという簡便なものです。
1回の治療は数分程度と短時間です。初めての服薬は血液検査ののち、医師の監督下で行うため来院が必要になりますが、2回目以降は自宅でも行うことができます(月に1度の通院が求められます)。
舌下免疫療法の種類
舌下免疫療法の薬は2種類あります。それぞれの概要をご説明します。
シダキュア(スギ・ヒノキ花粉)
シダキュアは、スギ花粉をアレルゲンとするアレルギー性鼻炎に効果を発揮します。医療機関でスギ花粉症と確定診断された方が治療を受けることができます。
シダキュアの服用は、1日1回1錠。最初の1週間は、スギ花粉エキスを2,000JAU含有する薬を服用しますが、2週目以降からは5,000JAU含有する薬に変わります。
シダキュアは湿気を吸い込んでやわらかくなるのが特徴です。非常に唾液に溶けやすいのですが、薬を溶かした唾液はすぐには飲み込まず、指定の時間舌の下に保持してください。服用後5分間はうがい・飲食を避け、2時間程度は激しい運動とアルコール摂取、入浴は控えます。
吸湿性が高い薬剤なので、保管場所は多湿を避け、触れるときは手が濡れていないことを確認してください。
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ミティキュア(ダニ・ハウスダストアレルギー)
ミティキュアはダニおよびハウスダストによるアレルギー性鼻炎に対して効果が期待されます。ダニアレルギー性鼻炎の確定診断が出たあとに処方が可能な薬で、シダキュアと同様、1日1回1錠の服用で舌の下に薬を置いて保持してから飲み込みます。
ダニアレルギー性鼻炎は通年で発症しますが、症状の有無にかかわらず毎日継続して服用します。
最初の1週間は3,300JAU錠、2週目以降は10,000JAU錠を服用します。服用後5分間はうがいと飲食、2時間は激しい運動、アルコール摂取と入浴は控えましょう。
舌下免疫療法の費用総額
ここからは、舌下免疫療法の費用の総額や保険適用、子供の治療費などについて確認します。
舌下免疫療法は保険が適用される
舌下免疫療法は健康保険での診療が可能です。薬代は3割負担の方だと、スギ花粉症は1カ月あたり1,800円前後、ダニアレルギーは2,000円前後が目安の費用となりますが、初回はアレルギー検査もあり、その後は薬の処方代に通院の診療費も加わるため、クリニックによって実質の患者さんの負担金額は異なります。
子供の治療費用は?
舌下免疫療法の治療対象は5歳以上のお子さんからですが、「子ども医療費助成」の対象にあたるため、該当する場合は実質負担なし(=無料)で治療を受けられます。
子ども医療費助成制度は、15歳到達日以降の最初の3月31日までの子どもが、医療機関などで健康保険証を使って治療を受けた際、保険診療の自己負担分を助成するという制度です。子ども医療費制度を使用するには「乳幼児・子ども医療証」が必要になるので、事前に居住する自治体に申請しておきましょう。
アレルギー検査の費用は?
アレルギーの確定診断を行うためには血液検査を行う必要があります。この検査も保険適用となるため、3割負担の方の場合は、約2,500~4,800円がかかると考えておくと良いでしょう。なお、舌下免疫療法を受けるためにはスギ花粉症あるいはダニアレルギー性鼻炎であることが判明していなくてはいけないので、治療を希望する方は必ず初回来院時に検査を受けるようにしましょう。
治療開始からの費用は?
治療費総額は病院・クリニックによって異なるため一概には言えませんが、総額はおおよそ通院開始時は3,000~5,000円、2回目は1,500円、3回目は1,800~2,000円ほどが目安だと考えていただくといいでしょう。
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まとめ
舌下免疫療法の治療は3~5年ほどかかり、また錠剤は毎日服用するもののため、治療費の総額が高額になるのではないかと心配される方もいらっしゃると思います。
しかし舌下免疫療法は保険適用のため、例えば3割負担となれば実質負担金を大きく削減できます。また、お子さんの場合は子ども医療費助成制度を利用して無料で治療を受けられることもあります。
舌下免疫療法に興味がある方、アレルギー性鼻炎を根本的に治療したいと考えている方は、本記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の監修者
大津和弥
【経歴】
・1999年3月 三重大学医学部卒業
・1999年5月〜 三重大学附属病院で研修
・2000年〜 市立四日市病院勤務
・2006年〜 三重大学附属病院勤務(2007年1月〜4月 国立がんセンター東病院研修)
・2012年〜 三重大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師(専門は頭頸部癌)
・2014年4月〜 小松病院で一色信彦、田邊正博の音声外科医師の指導の下、音声外科手術を研鑽
・2021年10月〜 市立ひらかた病院 耳鼻咽喉科部長
・2022年〜 市立ひらかた病院 耳鼻咽喉科主任部長、音声外科センター長
・2024年4月〜 大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック 院長(市立ひらかた病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 音声外科センター長 併任)
・大阪医科薬科大学 臨床教授
【所属学会・資格】
・喉頭形成手術実施医認定
・日本耳鼻咽喉・頭頸部外科学会 補聴器相談医
・日本耳鼻咽喉・頭頸部外科学会 専門研修指導医
・難病指定医
・補聴器適合判定医
【所属】
・大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック 理事長
・市立ひらかた病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 音声外科 センター長
【専門領域】
・音声外科
・頭頸部外科
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