公開日:2024年03月13日

タミフルとは?服用する上での注意点や飲み合わせについて薬剤師が解説

  • 【読み】 たみふる
  • 【呼称】 -

※2026年9月時点の情報を元に作成しています。

タミフル(成分名:オセルタミビル)とは

タミフルは、スイスのロシュ社によって開発されたインフルエンザ治療薬です。日本では中外製薬が製造販売しています。沢井製薬や東和薬品からジェネリック医薬品も販売されています。

 

対象となる病気・症状

インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の症状を改善します。

また、感染者との接触など感染の可能性が生じた際に投与することで、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の発症を予防する効果もあります。

 

タミフルで期待できる効能・効果

臨床試験(国内第III相試験)の結果、タミフルを服用した人のインフルエンザ症状が改善するまでの期間の中央値は70.0時間、服用していないプラセボ群では93.3時間で、約23時間短縮しました。

原則として予防投与はインフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族または共同生活者であって、次のいずれかに該当する方が対象とされています。

  • 高齢者(65歳以上)
  • 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患のある方(ぜんそく、COPD、心不全など)
  • 代謝性疾患(糖尿病など)をお持ちの方
  • 腎機能障害のある方

これらの方では、ワクチン接種や感染予防対策に加え、医師の判断のもとで、早い段階からの予防投与が検討されることがあります。

別の国内試験では、健康成人308例を対象とした42日間の予防投与で、インフルエンザを発症した人の割合はタミフル群で1.3%、プラセボ群で8.5%でした。

予防目的で使用する場合は健康保険の給付対象外で、原則として自費診療です。予防投与を希望する場合は医師にご相談ください。

タミフルの服用方法

治療

  • 通常、成人及び体重37.5kg以上の小児には1回75mg(1カプセル)を1日2回、5日間内服します。
  • 通常、体重37.5kg未満の小児には以下の1回用量を1日2回、5日間、粉薬を水に溶かして内服します。体重が重い場合も、1回の最高用量は75mgまでとします。
    • 1歳以上:2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)
    • 1歳未満:3mg/kg(ドライシロップ剤として100mg/kg)
  • 発症後、2日以内に投与を開始することが望ましいとされています。症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者では、有効性を裏づけるデータが得られていません。

 

予防

  • 通常、成人には1回75mg(1カプセル)を1日1回、7~10日間内服します。
  • 通常、体重37.5kg以上の小児には1回75mg(1カプセル)を1日1回、10日間内服します。
  • 通常、1歳以上の小児には2mg/kg(粉薬に換算すると66.7mg/kg)を1日1回、10日間、粉薬を水に溶かして内服します。体重が重い場合も、1回の最高用量は75mgまでとします。
  • インフルエンザ患者に接触してから2日以内に投与を開始する必要があります。接触してから48時間以降に投与を開始した患者では、有効性を裏づけるデータが得られていません。
  • 1歳未満の赤ちゃんには、予防投与はできません。

タミフルの使用上の注意

タミフルの副作用

頻度の高い副作用

以下の副作用が0.1%以上の確率で生じる可能性があります。症状が重篤な場合には服用を中止し、医師に相談してください。

  • 発疹
  • 下痢
  • 腹痛
  • 吐き気、むかつき、嘔吐
  • めまい
  • 頭痛
  • 不眠症
  • 肝臓の血液検査値(ALT)上昇(多くは無症状)
  • 蛋白尿(尿が泡立つなど)
  • 好酸球数増加(リンパの腫れ、むくみ、呼吸がヒューヒューする、全身のだるさなど)
  • 低体温

 

重大な副作用

稀ですが、以下の重大な副作用を起こす可能性があります。使用中に以下の症状があらわれた場合は、使用を中止し、すぐに受診してください。

  • ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、顔やのどのむくみ、呼吸困難、血圧低下など)
  • 肺炎(発熱、咳、たんなど)
  • 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(だるさ、食欲不振、吐き気、皮膚のかゆみ、白目や皮膚が黄色くなるなど)
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(皮膚や粘膜の水ぶくれ・ただれ、目の充血、発熱など)
  • 急性腎障害(尿量の減少、むくみ、食欲低下、全身のだるさなど)
  • 白血球減少、血小板減少(発熱、皮膚の内出血、血が止まりにくい、鼻血など)
  • 精神・神経症状(意識障害、せん妄、幻覚、妄想、けいれんなど)
  • 異常行動(急に走り出す、徘徊するなど)
  • 出血性大腸炎、虚血性大腸炎(血便、下痢など)

 

インフルエンザ罹患時に注意したい「異常行動」

インフルエンザ発症中の「異常行動」が報告されています。特に就学期以降の小児や未成年の男性に多くみられ、発熱から2日間以内に起こることが多いとされています。詳しい原因は分かっておらず、タミフルなどのインフルエンザ治療薬の服用有無にかかわらず発症する可能性があるとされています。異常行動に伴って、極めてまれではあるものの、転落等による死亡事故も報告されているため、注意が必要です。

異常行動に伴う事故を未然に防ぐため、未成年の保護者は、インフルエンザによる発熱から少なくとも2日間は子どもが1人にならないように注意する必要があります。また、就寝中を含めて万が一の屋外への飛び出しや高所からの転落事故を防ぐことが重要です。可能な範囲で、以下のような対策を行ってください。

  • 玄関や窓を確実に施錠する
  • 窓に格子のある部屋で寝かせる
  • ベランダにつながっていない部屋で寝かせる
  • 2階以上ではなく1階で寝かせる
吉野友祐氏のプロフィール画像

この記事の監修者

吉野友祐

【経歴】
・広島大学医学部卒業
・現在は帝京大学病院感染症内科所属
・帝京大学医学部微生物学講座教授
・専門は内科・感染症

【所属学会・資格】
・日本医師会 産業医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本感染症学会 感染症専門医
・ICD

【所属】
・帝京大学医学部微生物学講座 主任教授
・帝京大学アジア国際感染症制御研究所 所長
・帝京大学医学部附属病院感染症内科

【専門領域】
・薬剤耐性菌
・インフルエンザ
・HIV
・Clostridioides difficile

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【参考文献】

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00050037

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00050038

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/pamphlet181207_01.pdf

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20220926-1flu.pdf

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