ゾフルーザとは?効果や副作用について医師が解説
- 【読み】 ぞふるーざ
- 【呼称】 -
※2026年9月時点の情報を元に作成しています。
ゾフルーザ(成分名:バロキサビル マルボキシル)とは
ゾフルーザは、塩野義製薬によって開発されたインフルエンザ治療薬です。錠剤または顆粒を1回服用することで治療が完了するため、従来の薬で生じやすかった「飲み忘れ」や「吸入の失敗」が起こりにくく、服用の負担が少ない薬です。
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対象となる病気・症状
ゾフルーザは、従来のノイラミニダーゼ阻害薬とは異なる作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制し、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の症状を改善します。
また、感染者との接触など感染の可能性が生じた際に投与することで、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の発症を予防する効果もあります。
ゾフルーザで期待できる効能・効果
インフルエンザを発症すると、咳、喉の痛み、頭痛、鼻づまり、熱っぽさや寒気、筋肉や関節の痛み、疲労感といった症状があらわれます。ゾフルーザは、一般的な患者から重症化リスクのある患者まで、インフルエンザの症状をプラセボより約1日(26.5〜29.1時間)早く治す特徴があります。
また、予防投与は、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族または共同生活者であって、次のいずれかに該当する方が対象とされています。
- 高齢者(65歳以上)
- 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患のある方(ぜんそく、COPD、心不全など)
- 代謝性疾患(糖尿病など)をお持ちの方
- 腎機能障害のある方
これらの方では、ワクチン接種や感染予防対策に加え、医師の判断のもとで、早い段階からの予防投与が検討されることがあります。
ゾフルーザは予防目的での使用は保険給付の対象外です。予防投与を希望する場合は医師にご相談ください。臨床試験の結果、インフルエンザの発症から48時間以内に、その同居人や共同生活者にゾフルーザを投与したとき、発熱と呼吸器症状を伴い、検査でインフルエンザウイルス陽性となった人(症候性インフルエンザウイルス陽性)の割合は、ゾフルーザ群1.9%(7/374例)、プラセボ群13.6%(51/375例)でした。
ゾフルーザの服用方法
・1回だけ服用すれば治療が完結します。1回分の服用量は、年齢や体重によって異なりますので、指示された用量を服用してください。
・インフルエンザの発症後、可能な限り速やかに服用することが望ましいとされています。発症から48時間以上経過した場合の有効性を裏付けるデータは得られていません。
・予防投与の場合も、インフルエンザ患者に接触後48時間以内に投与を開始する必要があります。
・通常使用される用量は以下の通りです。なお、体重20kg未満の12歳未満の小児については、予防投与は認められていません(体重20kg以上の12歳未満の小児に対する予防投与は2020年11月27日に承認されています)。
治療・予防
成人・12歳以上の小児
- 体重80kg以上:20mg錠4錠または顆粒8包
- 体重80kg未満:20mg錠2錠または顆粒4包
12歳未満の小児
- 体重40kg以上:20mg錠2錠または顆粒4包
- 体重20kg以上40kg未満:20mg錠1錠または顆粒2包
治療のみ
12歳未満の小児
- 体重10kg以上20kg未満:10mg錠1錠または顆粒1包
- 体重10kg未満:顆粒50mg/kg(バロキサビル マルボキシルとして1mg/kg)
なお、新生児・乳児ではビタミンK欠乏による出血のリスクがあるため、本剤を投与する際はビタミンK製剤の投与状況を確認する必要があります。
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ゾフルーザの使用上の注意
ゾフルーザの副作用
頻度の高い副作用
以下の副作用が生じる可能性があります。症状が重篤な場合には服用を中止し、医師に相談してください。
- 下痢(1%以上)
- 悪心(吐き気、むかつき)(1%未満)
重大な副作用
頻度は不明ですが、以下の重大な副作用を起こす可能性があります。服用中に以下の症状があらわれた場合は、服用を中止し、すぐに受診してください。
- ショック、アナフィラキシー(皮膚の赤み、息苦しさ、嘔吐、意識朦朧など)
- 異常行動(急に走り出す、徘徊するなど)
- 虚血性大腸炎(腹痛、下痢、血便など)
- 出血(血便、鼻出血、血尿など)
禁忌・服用時の注意点
- 本剤の有効成分(バロキサビル マルボキシル)に対して過敏症の既往歴のある人は服用できません。
- 現在の添付文書では、併用が禁忌とされている薬剤はありません。
- 肝機能障害のある人では、慎重に投与する必要があります。
- ワルファリンとの併用後にプロトロンビン時間が延長した報告があり、併用には注意が必要です。
インフルエンザ罹患時の異常行動とは?
インフルエンザ発症中の「異常行動」が報告されています。特に就学以降の小児や未成年の男性に多くみられ、発熱から2日間以内に起こることが多いとされています。詳しい原因は分かっておらず、ゾフルーザなどのインフルエンザ治療薬の服用有無にかかわらず発症する可能性があるとされています。滅多に起こらない稀な症状ではあるものの、転落事故につながるような重度の異常行動も報告されているため、注意が必要です。
異常行動に伴う事故を未然に防ぐため、未成年の保護者は、インフルエンザによる発熱から少なくとも2日間は子どもが1人にならないように注意する必要があります。また、就寝中を含めて万が一の屋外への飛び出しや高所からの転落事故を防ぐことが重要です。可能な範囲で、以下のような対策を行ってください。
- 玄関や窓を確実に施錠する
- 窓に格子のある部屋で寝かせる
- ベランダにつながっていない部屋で寝かせる
- 2階以上ではなく1階で寝かせる
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【参考文献】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16467.html
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067755
https://www.shionogi.com/content/dam/shionogi/jp/news/pdf/2018/180314.pdf
https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2020/11/201127.html
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/pamphlet181207_01.pdf
この記事の監修者
吉野友祐
【経歴】
・広島大学医学部卒業
・現在は帝京大学病院感染症内科所属
・帝京大学医学部微生物学講座教授
・専門は内科・感染症
【研究分野・専門領域】
・薬剤耐性菌、インフルエンザ、HIV、Clostridioides difficile 他
【所属学会・資格】
・日本医師会 産業医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本感染症学会 感染症専門医
【その他の資格】
・ICD
【所属】
・帝京大学医学部微生物学講座 主任教授
・帝京大学アジア国際感染症制御研究所 所長
・帝京大学医学部附属病院感染症内科
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