公開日:2024年05月10日

ヤーズ配合錠(一般名:ドロスピレノン・エチニルエストラジオール)とは

  • 【読み】 やーずはいごうじょう
  • 【呼称】 -

※2026年8月時点の情報を元に作成しています。

概要

ヤーズ配合錠は低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)と呼ばれる薬剤です。有効成分は、黄体ホルモンの「ドロスピレノン」と卵胞ホルモンの「エチニルエストラジオール」で、卵胞の発育を抑え排卵を抑える作用により、月経時の疼痛を軽減します。

LEP製剤は低用量ピルと同様の成分ですが、避妊を目的にして用いる低用量ピルよりもエストロゲンが少なく、月経困難症の治療に用いられます。ヤーズはLEP製剤であり、避妊目的には使用できません。

LEP製剤には、ヤーズのほか、ヤーズフレックスルナベルLD・ULDとそのジェネリック医薬品のフリウェルLD・ULDがあります。ヤーズフレックスは、ヤーズと同一の有効成分・剤型ですが、承認された効能・効果、用法・用量、ならびに1シートの錠剤構成が異なる製剤です。

対象となる疾病・症状

月経困難症

ヤーズに期待できる効能・効果

月経困難症の治療

ヤーズの服用方法

ヤーズは1日1錠を毎日一定の時刻に、シートの順番どおり28日間続けて服用します。実薬24錠のあとにプラセボ(有効成分を含まない錠)4錠が入っており、飲み終わったら休薬期間を置かずに次のシートを始めます。出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期の錠剤を投与し、以後同様に繰り返します。

用法・用量に関する使用上の注意

(1)毎日一定の時刻に服用しましょう。

(2)飲み忘れがないよう、服用方法をよく確認しましょう。

(3)服用開始日について:初めて服用する場合は、月経第1日目から服用を開始してください。服用開始日が月経第1日目から遅れた場合、飲みはじめの最初の1週間はホルモン剤以外の避妊法を併用してください。

(4)万一前日の飲み忘れに気付いた場合は、直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用してください。2日以上服薬を忘れた場合は、気付いた時点で前日分の1錠を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用したうえで、その後は当初の服薬スケジュールどおり服用を続けてください。

その他の注意

・本剤を避妊目的で使用しないでください。

・受診の際は、問診、内診、基礎体温の測定、妊娠検査等により、妊娠していないことを確認します。

・服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良をきたすことがあり、妊娠する可能性が高くなるので注意してください。

・年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告があるので、本剤を服用する方は禁煙しましょう。

・ヤーズに含まれるドロスピレノンには体内のカリウムを保持する働きがあり、カリウムを含む薬、一部の降圧薬(ACE阻害薬・ARB)、カリウム保持性利尿薬、痛み止め(NSAIDs)と一緒に使うと血液中のカリウムが高くなることがあります。服用中の薬・市販薬・サプリメントをすべて医師・薬剤師に伝えてください。特に重篤な腎障害・急性腎障害のある方は注意が必要です。

・35歳以上で1日15本以上の喫煙をする方、前兆(閃輝暗点等)を伴う片頭痛のある方、血栓症の既往・素因のある方、重篤な腎障害・急性腎障害のある方(高カリウム血症のおそれ)は使用できない場合があります。

ヤーズの主な副作用

主な副作用には、頭痛、悪心、不正子宮出血、性器出血、月経痛、下腹部痛などがあります。症状が強い・長く続く場合は処方医・薬剤師に相談してください。

ヤーズの重大な副作用

足の突然の痛み・腫れ、突然の息切れや胸痛、激しい頭痛、手足の脱力・まひ、言葉のもつれ、突然の視力障害が現れた場合は、服用を中止し、直ちに救急医療機関を受診してください(血栓症の可能性があります)。

※警告・禁忌を含む使用上の注意等は製品添付文書をご確認ください。

ヤーズ配合錠の処方を受ける方法

低用量ピルをコンスタントに服用するためには定期的に通院し医師の処方を受けることが必要ですが、ピルを服用する年代の女性は学業・仕事など日々の生活で忙しく、思うように来院の時間を作れない場合があります。また、産婦人科を受診するところを人に見られることに抵抗を感じ、それが心理的障壁となって通院を負担に感じる患者もいます。オンライン診療は、こうした通院負担の軽減に役立ちます。薬の処方だけでなく、患者が通院できなくても、飲み忘れた場合の対処方法や、飲み方を変えたい場合の相談窓口となることができ、女性の悩みに寄り添うことにも繋がります。

ヤーズは処方箋医薬品です。対面診療またはオンライン診療で医師の診察を受け、適切と判断された場合に処方されます。海外通販や個人輸入による未承認品・偽造品の購入は避けてください。

このように、ヤーズ配合錠などの低用量ピルとオンライン診療を組み合わせることで通院負担が軽減され、低用量ピルの安全な服薬と患者の服薬アドヒアランス向上を支えることが期待されています。

西野枝里菜氏のプロフィール画像

この記事の監修者

西野枝里菜

【経歴等】
東京大学・同大学院を経て名古屋大学医学部を卒業。
総合周産期母子医療センターにて産婦人科専門医を取得し、現在は久保田産婦人科病院で分娩および外来診療に従事しています。
周産期医療の最前線で培った高度なスキルと、母体保護法指定医・日本医師会認定産業医としての幅広い視点を活かし、一人ひとりのライフステージに寄り添った診療を提供。また、医療記事の監修を通じて、産婦人科・乳幼児医療に関する正しい知識の普及にも努めています。

【資格】
・産婦人科専門医
・母体保護法指定医
・日本医師会認定産業医

【所属】
・久保田産婦人科病院 医員

【専門領域】
・産婦人科

【参考文献】

ヤーズ添付文書(PMDA電子添文・最新版)

KEGG MEDICUS ヤーズ配合錠(照合の補助)

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