【クロン導入インタビュー020】「オンライン診療で患者さんとより深くつながることができる」

石坂脳神経外科

  • リハビリテーション
  • 脳神経外科
  • 神経内科

長崎県佐世保市にある石坂脳神経外科は、脳疾患の専門医+主治医として急性期医療、手術、リハビリ、生活を支える介護まで提供している19床の有床診療所です。長崎には離島が多く、離島には脳の専門クリニックがないため、離島からも多くの患者が通院されます。また地域の主治医として生活習慣病やケガ、他科の疾患も可能な範囲で対応しています。

今回、副院長の石坂俊輔先生に、オンライン診療を開始されたきっかけや実際に患者にご利用いただいた感想を伺いました。

 

オンライン診療を導入されたきっかけをお教えください。

当院は高齢の方や認知症の方も多く、長い待ち時間で負担をかけてしまっていることが課題です。また、離島など遠方から受診される患者さんもおり、その場合は待ち時間に加えて往復の時間と交通費もかかるので、ご本人に付き添われるご家族にとっても大きな負担です。そのあたりを緩和したいという動機で導入しました。

クロンを選ばれた理由があればお教えください。

何社か他のシステムと比較検討しましたが、やはり無料ということが決め手ですね。試しに導入してみてスタッフがシステムに慣れたということもあります。

現在、どのような患者さんにクロンをご案内されていますか?

主に、身体が不自由で、付き添いのご家族の通院負担が大きいと判断した方に、私から直接パンフレットをお渡ししてご案内しています。例えば、車椅子で来られて、毎回2時間待っていらっしゃるとか。年齢に関してはあまり考えず、ご家族と同居されているようであれば、高齢の方にも勧めています。病状が安定している方は近くの医院への転院も提示しますが、長くかかっているのでできれば通院を続けたいという方も多いです。そのような場合は勧めた方のほとんどが利用されます。

ただし、オンライン診療料の算定に係る施設基準として「緊急時に概ね30分以内に対応できること」(※1)という縛りがあるので、現在は橋でつながっている離島の患者さんに限定してオンライン診療を行っております。橋でつながっていない完全な離島から通院されている方も一定数おりますが、こうした方々にはオンライン診療は行っていません。距離としては船で最大2時間ほど、金額も往復で最大1万円ほどかかるので、毎月となると大きな負担だと思います。本来はそうした方こそオンライン診療が必要だと感じております。

※1参考)基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000205633.pdf

オンライン診療を利用されている患者さんのご家族の反応などはいかがでしょうか。

一度オンライン診療をご利用いただくと、次もオンライン診療でとおっしゃいます。ご高齢の患者さんですと、脳外科の当院以外にも整形外科、内科など3、4つ医療機関に通われている方もいます。さらに、遠方となると通院だけで1ヶ月が過ぎてしまうこともあり、そうした方には喜んでいただいています。

実際にオンライン診療をされて感じられたメリットはありますか?

患者さんのご自宅の様子を垣間見ることができたのは新たな発見でした。これまで10年20年通われている患者さんであっても、在宅診療に移行しない限り、ご自宅の様子を知れる機会はありません。オンライン診療で患者さんが元気な時から生活のイメージを持つことができ、繋がりが深まったという面はあると思います。

多忙な外来診療の合間に、患者さんのご自宅の様子を見ることができるという点を考えると、オンライン診療は外来診療と在宅診療の中間的な位置付けと感じています。

オンライン診療を実施するにあたっての課題は何でしょうか?

オンライン診療ができれば患者さんの利便性は向上すると思いますが、正直、対面診療に比べて事前の準備などで医師側の手間がかかります。対面診療だと、事前の準備やオペレーションはスタッフがやってくれますが、オンライン診療だと患者さんが応答しないなどビデオ通話をつなげるところで手間取ることがあります。ですので患者数を増やせないのが実情です。また、直接診察ができないので、その点で自分で訴えることが苦手な高齢の方などは所見を見落とす可能性は否めません。

オンライン診療への期待、今後の展望についてお教えください。

オンライン診療は、認知症診療との相性もいいと思います。認知症の場合は、ご家族とのお話も重要になります。ご家族が事前の問診票に、「最近、尿失禁が増えた」、「物を盗られたと言うが、実際は置き場所を忘れている」などご本人の目の前で言いにくいことも、ご本人の自尊心を傷つけることなく情報を得ることができます。オンライン診療であればご家族が話しやすい場所を選んでゆっくり話せるかもしれません。

うまく使うことで、外来からご自宅を訪問する在宅医療的な位置付けとして、患者さんとの関わりを深める一助となるのではないでしょうか。

Clinic Infomation

Doctor Profile

石坂 俊輔

山口大学医学部卒、長崎大学脳神経外科研修後、スタンフォード大学脳神経外科に留学
日本脳神経外科学会 専門医
日本脳卒中学会 専門医
​​脊椎脊髄外科学会 専門医
認知症サポート医