タミフルはオンライン診療で処方してもらえる?自宅で診察を受ける方法や予防投与についても解説

  • 【読み】 たみふる
  • 【呼称】 -

※2024年2月時点の情報を元に作成しています。

オンライン診療でインフルエンザの診察は受けられる?

オンライン診療とは、スマートフォン・パソコン・タブレットなどのビデオ通話が可能な情報通信機器を使用し、予約・問診・診察・薬の処方・会計をインターネット上で行う診療方法です。

インフルエンザ感染が疑われる場合、オンライン診療で診察を受けることは可能ですが、対面診療とは異なり、インフルエンザ感染かどうかを調べるための迅速抗原検査を診察時に実施できません。そのため、陽性か陰性かの確認をしたい場合は、薬局で販売されている迅速抗原検査キットを購入し、ご自身で検査をする必要があります。
(※インフルエンザ単独の迅速抗原検査キットは薬局では販売されていないため、インフルエンザ・コロナの同時検査キットの購入をご検討ください。)

迅速抗原検査キットを購入される際は、国が承認した「第一類医薬品」に該当する商品を選んでください。「研究用」として市販されているキットは、性能などが国で確認されていません。また、迅速抗原検査キットは誤った使い方をすると結果が正しく出ない場合があります。使用方法を薬剤師から説明を受け、商品に同梱されている「使用上の注意」をしっかりと確認した上で検査を行ってください。

参考:一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報

 

ただし、検査を行わなければ診察ができないというわけではありません。
検査を行わない場合でも、流行状況、患者の症状などから総合的にインフルエンザと診断されることもありますので、診察を担当される医師にご確認ください。

なお、インフルエンザ感染の場合、患者の状態によっては、すぐに酸素投与や点滴薬での治療などの処置が必要なケースもあります。直接対面しないオンライン診療ではこのような対応はすぐには困難となるため、速やかに対面診療に切り替える必要があります。対面診療が必要と医師が判断した場合は、必ずその指示に従ってください。
また、稀ではありますが、年齢や基礎疾患によっては脳症や心筋炎などの重篤な合併症を併発することもあります。これらもオンライン診療では診断・治療が困難となるため、対面診療に切り替える必要があると医師が判断することがあります。

さらに、オンライン診療ではインフルエンザと同じような症状が見られる病気(新型コロナウイルス感染症など)との鑑別が難しい場合もあります。オンライン診療を行う医師が対面診療が必要と判断する場合もありますので、その場合は必ず医師の指示に従ってください。

 

オンライン診療でタミフルは処方してもらえる?

オンライン診療でも対面診療と同様に、医師が必要と判断した場合にはタミフルの処方を受けることができます。インフルエンザを発症してから2日以内にタミフルを服用することで、インフルエンザウイルスの増殖が抑制され、服用しなかった場合と比べて発熱などの症状が早く改善されます。

オンライン診療では、対面診療とは異なりインフルエンザ感染かどうかを調べるための迅速抗原検査を診察時に実施できないため、タミフルなどのインフルエンザ治療薬は処方できないと誤解されることがよくあります。しかし、オンライン診療であっても、医師がインフルエンザと診断した場合には、必要に応じてインフルエンザ治療薬が処方されることもあります。流行状況や患者の症状などから医師が総合的に判断されることもありますし、患者が薬局で迅速抗原検査キットを購入し自己検査を行っている場合、その結果を診断の参考情報とされることもあります。
ただし、注意しておきたいのは、患者がタミフルの処方を希望したからといって、必ずタミフルが処方されるわけではありません。医師の判断でタミフル以外のインフルエンザ治療薬が処方される場合や、医師が不要と判断した場合にはインフルエンザ治療薬自体が処方されないこともあります。また、医師が対面診療が必要と判断した場合は、薬が処方されず対面診療に切り替えとなります。薬の処方や服用方法については、必ず医師の指示に従ってください。

 

オンライン診療でのタミフルの予防投与

タミフルの予防投与とは?

タミフルにはインフルエンザの治療効果だけでなく、予防効果も認められています。タミフルの添付文書上、「インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内」に内服した場合に予防効果があるとされており、同居するご家族が感染した場合や職場・学校などで流行している場合などが、予防内服の適応として考えられます。受験や大切な予定の前など、インフルエンザの感染が心配な場合は医師に相談してみても良いかもしれません。
ただし、予防内服の場合は健康保険は適用されず、全額自己負担の自由診療となります。
タミフルの予防投与もオンライン診療での対応は可能とされていますが、処方の必要性は医師により判断されますので、必ずしも処方されるわけではありません。医師にご相談ください。

 

タミフルの予防投与、オンライン診療と対面診療どっちがいい?

オンライン診療でタミフルを予防投与してもらうメリット

インフルエンザ流行シーズンの医療機関には、発熱患者が多く受診しているため、インフルエンザを含めた感染症罹患者と接触するリスクがあります。

また、インフルエンザ流行シーズンは一般的に冬であり、受験などの大事なイベントとタイミングが重なることから、予防投与を希望される方が多くいらっしゃいます。オンライン診療を使えば自宅で診療を受けられ、処方薬も配送してもらえるため、受診による感染の心配が要らなくなるのが大きなメリットです。

 

対面診療でタミフルを予防投与してもらうメリット

オンライン診療では、診察料に加えてオンライン診療の手数料が別途必要となることから、通院よりも費用はやや高くなります。手数料は医療機関ごとに価格が異なるため、確認しておく必要があります。

また、オンライン診療は、スマートフォン・パソコン・タブレットなどの情報通信機器を使用してビデオ通話で受診する必要がありますので、普段からこのようなツールを使い慣れていない人にとっては、対面診療の方が便利と感じる場合もあるかもしれません。

 

全国の医療機関でいつでも診察が受けられる「オンライン診療サービスクロン」

オンライン診療サービスクロンは、医療機関と患者をつなぐオンライン診療サービスです。 スマートフォン上で、病院(クリニック)の予約・問診・診察・処方箋または薬の受け取り・決済までを行うことができます。

クロンを利用することで、クロンを導入している全国6,000施設以上の医療機関を受診することができます。新型コロナの自己検査で陽性の方が診察・治療薬の相談をできる医療機関や、新型コロナの検査結果にかかわらず、発熱などの症状やコロナ疑いの相談を受け付けている医療機関も登録されています。 

※医師の判断により、オンライン診療の利用ができない場合や、対面診療を求められる場合があります。医師と相談の上で利用してください。

 

利用の流れ

オンライン診療サービスクロンを利用する際の流れは以下の通りです。

1. 新規登録・ログイン

PCやタブレット、スマートフォンから https://app.curon.co へアクセスし、画面の指示に従い新規登録・ログインを行います。

 

2. 医療機関を検索

検索ページ(https://app.curon.co/add-clinic/covidより、ご自分の現在の状況で利用できる医療機関を検索し、受診を希望する医療機関を選択します。

 

3. 診療申込

希望する診察メニュー・予約日時を選択します。その後、画面の指示に従い、受診理由・受診者情報・薬の受け取り方法などの基本情報を登録します。

 

4. ビデオ通話で診察

診察時間が近づいたら「ビデオ診察ルーム」に入室し、医師の入室まで待機します。医師が入室し次第、診察が開始されます。

 

5. 支払い

診察終了後、事前に登録したクレジットカードで決済が行われます。 

 

6. 薬の受け取り

・オンライン服薬指導を受けて郵送

・薬局店頭で受け取り

 

こんなときに便利

オンライン診療サービスクロンを利用することで、通院にかかる時間を軽減できます。仕事や学校が忙しく日中に受診するのが難しい方でも、スマートフォンとインターネット環境があれば、ちょっとした空き時間に受診できます。

また、近くに医療機関がない地域に住んでいる方も、住んでいる地域から離れた場所の医療機関を手軽に受診できます。

 

 

コロナ・インフルの症状も

オンラインで相談できます

 

【参考文献】

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6250047F1022_1_16/

https://www.shionogi.com/content/dam/shionogi/jp/news/pdf/2020/02/200221.pdf

https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/content/900004360.pdf

https://www.niid.go.jp/niid/ja/influ-resist.html

https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=37

https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/teigen_231130_nashi.pdf

 

【執筆者】


薬剤師:大西真理
ドラッグストア併設調剤薬局の薬剤師。薬局長として薬局全体の管理、教育等に従事し、管理薬剤師としても活躍。広域病院から地域密着型クリニックまで幅広い内容の処方箋応需経験を持つ。

このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。

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