処方箋の有効期限はいつまで?期限が切れそうなときの対応について解説
- 【読み】 しょほうせんのゆうこうきげん
- 【呼称】 -
連休前に医療機関を受診し、薬局へ行くタイミングがなく、処方箋の有効期限がギリギリになってしまうという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
有効期限が切れた処方箋は無効となってしまうため、期限が切れそうなときは早めの対応が大切です。
本記事では、処方箋の有効期限についての詳細や、期限が切れそうなときの対処法について解説します。
【処方箋の有効期限は発行から4日間】
まずは、処方箋の有効期限について正しく理解しておきましょう。
処方箋の有効期限について
処方箋の有効期限は「保険医療機関及び保険医療養担当規則」によって定められており、発行日を含めて4日間です。ただし、医師が処方箋に有効期限を別途記載している場合は、その日が有効期限となります。
「発行日を含めて4日間」とは、たとえば2月1日に発行された処方箋は2月4日まで有効という意味です。4日間の中には土日や祝日も含まれるため、年末年始やゴールデンウィーク前に特に注意が必要です。4日以内に薬を受け取れないことがあらかじめ分かっている場合には、有効期限を延長して記載してもらえないかを、診察時に医師に相談しましょう。
処方箋に有効期限がある理由
4日間というとあっという間に過ぎてしまうため、不便に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、処方箋の有効期限は、適正な医療を受けるためには欠かせない仕組みです。
病状は、良くなったり悪化したり刻々と変化します。しっかりと治療するためには、医師の処方した薬をリアルタイムに近いタイミングで使用する必要があります。つまり、処方箋に有効期限が定められている理由は、医師の診察を受けてから時間が経てばたつほど、必要な薬が変わってしまう可能性が高くなるためです。
期限切れの処方箋はどうしたらいい?
有効期限が切れてしまった処方箋は無効となるため、薬局で薬を受け取ることはできません。薬を受け取るためには、医療機関を再受診し、処方箋の再発行を受ける必要があります。
処方箋の再発行には、診察料などの費用が再度かかるのが一般的です。また、この場合の診察料などには健康保険の適用ができず、全額自己負担での支払いとなります。ただ、薬局での薬代については、再発行された処方箋があれば保険適用となるのが通常です。
※注意事項
処方せんを紛失、または処方せんを提出しお薬を受け取った後にお薬を紛失した場合、当該診察に関わる「保険適用」の有無は医療機関や薬局により判断が異なります。
【有効期限が切れそうなときの対応法】
無駄な出費を避けるためにも、有効期限が切れてしまう前に早めの対応をとることが重要です。
すぐに行ける薬局を探して受付する
処方箋の有効期限が切れてしまいそうなときの対処法は、すぐに行ける薬局を探して、受付だけでも済ませてしまうしかありません。
いつも利用している薬局や自宅近くの薬局に行けないときは、全国どこの保険薬局でも薬を受け取ることが可能です。休日や夜間に営業している薬局など、処方箋の期限内に行くことができる薬局を探して処方箋を提出すれば問題ありません。
また、有効期限内に処方箋を薬局に提出後、お薬の受け取りがそれ以降になる場合は、お日にちや受け取り方法などを薬局にご相談ください。
【休日や夜間に営業している薬局を探しやすい「クロン処方箋ネット受付」】
休日や夜間に処方箋の有効期限が切れてしまいそうなとき、営業している薬局を1件1件調べて探し出すのには、かなりの手間がかかります。
そんなとき、処方箋ネット受付システムのひとつである「クロン処方箋ネット」を利用することで、自宅近くの薬局の営業時間を一覧で確認することができます。
クロン処方箋ネット受付とは
クロン処方箋ネットは、スマホで撮影した処方箋の画像を事前に全国の薬局に送ることで、薬の予約ができるサービスで、好きな薬局で好きな時間に薬を受けとることができます。
クロン処方箋ネットは、全国でチェーン展開する薬局から中小、個人経営薬局まで5,000店舗を超える薬局で導入されています。
利用の流れ
クロン処方箋ネットを利用する際の流れは以下の通りです。
①処方箋を受けとり後、薬局を検索
医療機関で処方箋をお受けとり後、ご希望の薬局を検索し「処方箋ネット受付」を選択してください。
※検索画面では、それぞれの薬局の営業時間を確認できます。
②スマホで処方箋を撮影して事前送信
処方箋をご自身のスマホで撮影し、アップロードを行い、質問票にご回答ください。「回答を送信」を選択して調剤予約が完了します。
③通知が届いたら、処方薬受けとり
調剤完了後はご登録いただいたご連絡先に通知が届きます。店頭でお薬の代金をお支払いいただき、処方薬をお受けとりください。
※お受けとりの際は、処方箋原本(紙)と保険証が必要です
※処方箋有効期限内に薬局にお越しください
有効期限内に薬局へ行く必要があるので注意
「ネット受付を済ませてあるから、処方箋の有効期限を過ぎてから薬を取りに行っても大丈夫」と誤解される方も多いですが、処方箋の受付日はあくまで処方箋原本を持参した日です。
クロン処方箋ネットを利用してネット受付を済ませた場合でも、処方箋の原本を有効期限内に薬局へ持参する必要がありますので、ご注意ください。
【参考文献】
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/bu_ka/shido_kansa/kikan_tsuchi/documents/22093002.pdf
http://www.ph-yamato.co.jp/media/2021/03/29/69
【執筆者】
薬剤師:大西真理
ドラッグストア併設調剤薬局の薬剤師。薬局長として薬局全体の管理、教育等に従事し、管理薬剤師としても活躍。広域病院から地域密着型クリニックまで幅広い内容の処方箋応需経験を持つ。
このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。
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