デパスの作用や服用時の注意点、副作用について解説
- 【読み】 でぱす
- 【呼称】 ‐

※2026年8月時点の情報を元に作成しています。
デパスは脳の働きを落ち着かせる精神神経用剤として、かつて日本で最も処方数の多い薬のひとつでした。睡眠障害や不安・うつ症状だけでなく、筋収縮性頭痛や腰痛まで幅広い症状に使用されます。
一方、2016年10月より向精神薬に指定され、厚生労働省による処方制限の対象となりました。さまざまな効能効果をもつ薬である一方で、連用により依存が生じることがあり、急な減量・中止によって離脱症状が現れることもあるため、適切な用量・期間で使用することが重要です。
今回はデパスの作用や服用時の注意点、副作用について詳しく解説します。
「デパス」ってどんな薬?
デパスの作用と効果
デパスは、「チエノジアゼピン系」と呼ばれる種類の薬の1つです。チエノジアゼピン系の薬には、脳内の「ベンゾジアゼピン受容体」に働きかけ、脳の興奮を抑える神経伝達物質である「GABA」の働きを強める作用があります。この作用により、以下の主な3つの作用と効果が期待できます。
1.抗不安作用:不安や緊張をやわらげる
2.筋弛緩作用:筋肉の緊張をやわらげ、肩こり・腰痛・筋収縮性頭痛を改善する
3.鎮静・催眠作用:脳の興奮を抑え、入眠を助ける
チエノジアゼピン系には多くの薬があり、上記3つの効果の強弱によって用途が異なります。
デパスは抗不安作用、筋弛緩作用、鎮静催眠作用が強いため、抗不安薬や筋弛緩薬、睡眠導入剤として主に使われます。
デパスの用途・用法
デパスの用法・用量は、改善させたい症状によって異なります。
1.神経症、うつ病:1回1mgを1日3回服用する
2.心身症、頚椎症、腰痛症、筋収縮性頭痛:1回0.5mgを1日3回服用する
3.睡眠障害:1回1~3mgを1日1回就寝前に服用する
なお、いずれの場合も年齢や症状により適宜増減しますが、高齢者はエチゾラムとして1日1.5mgまでとされています。必ず医師の診療を受け、指示された服用方法に従ってください。
服用中は眠気やふらつきが起こることがあるため、自動車の運転など危険を伴う作業は避けてください。
服用を忘れた場合の対応は、服用目的や処方内容によって異なります。自己判断でまとめて服用せず、あらかじめ医師や薬剤師から指示された方法に従ってください。2回分を一度に服用してはいけません。誤って多く服用した場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
常用量でも長期間の服用で依存が形成されることがあります。急な減量・中止により、不眠・不安・焦燥・頭痛・嘔気・せん妄・振戦・けいれん発作などの離脱症状が現れることがあります。長期・漫然投与は避け必要最小限の期間にとどめ、中止する場合は医師の指導のもとで徐々に減量してください。また、向精神薬として1回の処方で投薬できる日数は30日までと定められています。
デパスが使用されることのある診療科
デパスが使用されることのある診療科としては、以下の診療科目が挙げられます。
・精神科
・心療内科
・内科
・整形外科
※デパス(エチゾラム)は向精神薬に指定されており、オンライン診療の初診では処方できません。
このような症状がみられたら、すぐに連絡を
減量・中止後に不安、不眠、焦燥などの症状が強く現れた場合は、自己判断で服用量を変更せず、速やかに主治医へ相談してください。また、強い希死念慮や自傷のおそれがある場合は、速やかに医療機関へ相談・受診してください。
デパスの使用上の注意
デパスの副作用
デパスの主な副作用としては、以下のものが挙げられます。
・眠気
・ふらつき
・倦怠感
・脱力感
・物忘れ
・発疹
・食欲不振
また、重大な副作用としては、以下のものが挙げられます。
・依存性
・呼吸抑制/炭酸ガスナルコーシス
・悪性症候群
・横紋筋融解症
・間質性肺炎
・肝機能障害/黄疸
なお、デパスを連用している状態から急に減量・中止すると、けいれん、不眠、不安、せん妄、振戦等の離脱症状が現れることがあります。
上記の副作用・症状は、重大な疾患の初期症状である可能性があります。
また、上記の副作用は全てを記載したものではありません。自己判断で急に中止・減量せず、上記以外でも気になる症状が出た場合は速やかに医師・薬剤師に相談してください。呼吸が苦しい・意識がぼんやりする・強い興奮や混乱・けいれん等がみられる場合は救急を受診してください。
なお、高齢者では転倒・ふらつき、前向性健忘、まれに興奮・攻撃性などの奇異反応が現れることがあります。高齢者に投与する場合は、少量から慎重に開始します。
禁忌・飲んではいけない人
急性閉塞隅角緑内障の患者さんには使用できません。緑内障で治療中の方や眼科から眼圧について指摘を受けている方は、服用前に医師へ伝えてください。
また、重症筋無力症のある人もデパスを服用することができません。
他の薬との飲み合わせ
デパスに併用禁忌の薬はありませんが、中枢神経抑制薬・アルコール・MAO阻害薬・フルボキサミンマレイン酸塩などでは作用が強まることがあり、注意が必要です。飲み合わせに注意が必要な薬に含まれる成分の代表例としては、以下のものが挙げられます。
・中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)
・MAO阻害剤
・フルボキサミンマレイン酸塩
薬の併用には専門的な判断が必要です。併用する場合も、併用を止める場合も、決して自己判断では行わず、必ず医師または薬剤師に相談してください。
また、アルコールとの併用により、眠気や注意力低下などの中枢神経抑制作用が強まる可能性があります。服用中の飲酒については医師・薬剤師に確認し、自己判断で併用しないようにしてください。
デパスのジェネリック医薬品
デパスの有効成分は「エチゾラム」です。デパスの後発医薬品として、「エチゾラム錠○mg「○○」」など複数の製品が販売されています。
後発医薬品もデパスと同じ有効成分であるエチゾラムを含み、先発医薬品との生物学的同等性が確認されています。
まとめ
デパスは幅広い症状に対して効能効果をもつ薬です。
一方で、連用により依存が生じることがあり、急な減量・中止によって離脱症状が現れることもあるため、適切に使用することが重要です。
デパスの服用にあたっては、必ず医師の指示に従って服用し、服用方法について不明な点があれば医師または薬剤師に相談しましょう。
この記事の監修者
大迫鑑顕
【経歴】
精神科医。千葉大学医学部卒業後、大学病院を中心に臨床および精神医学研究に従事。摂食障害や、ゲーム・ギャンブルなどの行動依存症を主な専門領域とする。2023年にはスペイン・バルセロナのBellvitge University Hospitalに留学し、国際的な臨床研究にも携わった。現在は日本で診療と研究活動を行っている。
【所属学会・資格】
・日本医師会 産業医
・日本精神神経学会 精神科専門医
・日本精神神経学会 精神科指導医
・日本精神神経学会 認知症診療医
・厚生労働省 精神保健指定医
・日本外来精神医学会 認定専門医
・日本臨床精神神経薬理学会
・日本摂食障害学会
・日本精神神経学会
・医学博士
・公認心理師
【所属】
・千葉大学大学院医学研究院精神医学 特任助教
・医療法人鑑朗会メンタルヘルスかごしま中央クリニック 院長
【専門領域】
・精神医学
・摂食障害
・行動依存症
参考文献
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA),デパス錠0.25mg/デパス錠0.5mg/デパス錠1mg/デパス細粒1% 添付文書,2025年12月改訂(第2版)(2026年7月14日参照)
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