処方箋は全国どこでも受付できる?話題のオンライン服薬指導についても解説

  • 【読み】 おんらいんふくやくしどう
  • 【呼称】 -

医療機関から受けとった処方箋を薬局に渡すことで、処方箋に書かれた薬を受けとることができます。利用する薬局には特にこだわりがなく、病院の目の前にある「門前薬局」で薬を受けとっているという方も多いかもしれません。しかし、処方箋は発行元の病院の所在地や自宅の住所に関係なく、全国どこでも受付ができることをご存知でしょうか?

 

今回は、処方箋について説明すると共に、近年規制が緩和された「オンライン服薬指導」についても解説します。

 

処方箋は保険薬局なら全国どこでも受付可能

処方箋は全国どこの薬局でも受付ができますが、「薬局の種類」や「処方箋の有効期限」には注意が必要です。

 

また、治療の効果をより一層高めるためにも、かかりつけ薬局を決めておくのがおすすめです。

 

処方箋とは

病院やクリニックで医師の診察を受けたあと、処方された薬の名前や種類、量、使用方法などが書かれた紙を渡されることがあります。この紙が「処方箋」です。

 

処方箋を薬局に持参すると、処方箋に書かれた薬の量や飲み合わせなどに問題がないかを薬剤師が確認し、薬が調剤されます。

 

処方箋を受付できる薬局に制限はあるか

薬を取り扱う店舗には「薬局」と「薬店」の2種類ありますが、薬剤師が常駐し、薬を調剤するための場所をもつのが「薬局」です。薬局のなかでも、患者さんの保険証を使った保険調剤ができる薬局は「保険薬局」や「調剤薬局」と呼ばれています。つまり、保険薬局や調剤薬局であれば、全国どこの医療機関の処方箋でも受付をすることができます。

 

ただし、処方箋には有効期限があり、有効期限を過ぎると保険薬局や調剤薬局であっても受付ができなくなります。処方箋の有効期限は、発行日を含めて4日間(日曜日や祝日を含む)となっていますので、早めに薬局に持っていくようにしましょう。

 

かかりつけ薬局を決めておくメリット

処方箋を持っていく薬局は、患者さんが自由に選ぶことができます。

 

国は、医療機関を受診したあと、自宅や職場の近くにある「かかりつけ薬局」に処方箋を持っていくことを推奨しています。毎回同じ薬局で薬を受けとることで、服用中の薬を1つの薬局でまとめて管理することができ、複数の医療機関から同じ薬や飲み合わせの悪い薬が処方されるのを防ぐことができるためです。

 

また、医療機関受診の有無にかかわらず、薬や健康に関する疑問や困ったことがある場合にも、体質や病歴などを理解している薬剤師に相談できる点もメリットです。

 

オンライン服薬指導が注目されている理由

ここからは、近年規制が緩和された「オンライン服薬指導」について解説します。

 

オンライン服薬指導とは

オンライン服薬指導とは、パソコンやスマホなどを使用して、薬剤師から薬の使い方や注意事項などの服薬指導を受けるシステムです。

 

これまで服薬指導は、原則として薬剤師が対面で指導することが法律により義務付けられていました。しかし、2022年に多くの規制が緩和され、ほとんどの場合でオンライン服薬指導の実施が可能になりました。

 

オンライン服薬指導のメリット

オンラインで服薬指導を受けることができるため、薬局で薬を調剤してもらっている間の待ち時間がなくなります。子ども用の薬などの調剤に時間がかかる薬でも、薬局で待つ必要がなくなるため、非常に効率的です。

 

また、薬局にはさまざまな病気をもつ患者さんが集まります。そのため、薬局に長時間滞在することで、感染症のリスクも高まります。自宅でオンライン服薬指導を受けることで、感染症の予防にもつながります。

 

オンライン服薬指導のデメリット

オンライン服薬指導は、対面での服薬指導と比べて薬剤師が入手できる情報に限りがあります。また、吸入薬や自己注射薬といった特別な使用方法が必要な薬に関しては、オンラインでの説明が難しい場面もあるかもしれません。

 

対面での服薬指導では、調剤された薬をその場で受けとることができますが、オンライン服薬指導では、薬を自宅まで配送してもらわなければなりません。受診から薬の到着までのタイムラグや、配達料などの負担は大きなデメリットといえるでしょう。また、配送中の温度や湿度の管理など、薬の品質管理についても今後の課題とされています。

 

どこでも服薬指導が受けられる「クロン処方箋ネット」

オンライン服薬指導には多くの期待が寄せられているものの、まだ発展途上で課題も多く残されています。そこで、オンライン服薬指導のデメリットを解消しつつ、待ち時間も短縮できるのが「処方箋のネット受付」です。

 

ここからは、処方箋ネット受付システムのひとつである「クロン処方箋ネット」について解説します。

 

クロン処方箋ネット受付とは

クロン処方箋ネットは、スマホで撮影した処方箋の画像を事前に全国の薬局に送ることで、薬の予約ができるサービスで、好きな薬局で好きな時間に薬を受けとることができます。

 

オンライン服薬指導とは違い、服薬指導と会計は対面で行うため、患者さんは自身の都合に合わせて来局し、その場ですぐに薬を受けとることができます。

 

利用できる薬局について

クロン処方箋ネットは、全国でチェーン展開する薬局から中小、個人経営薬局まで5,000店舗を超える薬局で導入されています。

 

公式サイト(https://pha.curon.co/search?pref=tokyo)から薬局検索もできるので、自宅や職場近くの薬局を「かかりつけ薬局」として選んでみてはいかがでしょうか?

 

利用の流れ

クロン処方箋ネットを利用する際の流れは以下の通りです。

1.処方箋を受けとり後、薬局を検索

医療機関で処方箋をお受けとり後、ご希望の薬局を検索し「処方箋ネット受付」を選択してください。

2.スマホで処方箋を撮影して事前送信

処方箋をご自身のスマホで撮影し、アップロードを行い、質問票にご回答ください。「回答を送信」を選択して調剤予約が完了します。

3.通知が届いたら、処方薬受けとり

調剤完了後はご登録いただいたご連絡先に通知が届きます。店頭でお薬の代金をお支払いいただき、処方薬をお受けとりください。

※お受けとりの際は、処方箋原本(紙)と保険証が必要です

※処方箋有効期限内に薬局にお越しください

 

参考文献

https://www.nichiyaku.or.jp/activities/division/faq.html

 

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000153586.pdf

 

https://pha.curon.co/

 

https://curon.co/pharmacy/net-reception

 

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000910730.pdf

【執筆者】

薬剤師:大西真理
ドラッグストア併設調剤薬局の薬剤師。薬局長として薬局全体の管理、教育等に従事し、管理薬剤師としても活躍。広域病院から地域密着型クリニックまで幅広い内容の処方箋応需経験を持つ。

このページは、オンライン診療サービス curon(クロン)を開発・運営する株式会社MICINにより運営されています。クロンは厚生労働省・経済産業省・総務省のガイドラインにも準拠した、初期費用・月額固定費用が無料で運営できるオンライン診療のシステムで、全国で多数のクリニックに導入されています。サービスの詳しい内容について、こちらをご覧ください。

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