ミティキュア(一般名:コナヒョウヒダニ抽出エキス及びヤケヒョウヒダニ抽出エキス)とは
- 【読み】 みてぃきゅあだにぜっかじょう3,300JAU・ 10,000JAU
- 【呼称】 -
概要
ミティキュアは、ダニを原因とするアレルギー性鼻炎に対する舌下投与のアレルゲン免疫療法薬(舌下免疫療法)です。アレルゲン免疫療法とは、ダニアレルギーの原因となるアレルゲンを少量から投与することで、体を徐々にアレルゲンに慣らしていく治療法です。
従来行われている抗アレルギー薬によるダニアレルギー性鼻炎の内服治療は、根治治療ではなく対症療法に分類される治療法でした。一方、ミティキュアによる舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)は、国内臨床試験において鼻症状スコアの有意な改善が確認されており、症状の緩和や長期的な症状抑制が期待できる治療法とされています※。また、完全に症状を抑制できない場合でも、症状を軽減することで抗アレルギー薬の使用量を減らせることが期待されます。治療には、毎日の服用と1カ月に1回程度の定期的な受診が必要です。長期的な効果を得るためには3~5年の服用継続が推奨されていますが、効果には個人差があり、すべての患者に同様の効果が期待できるわけではありません。
※出典:ミティキュア添付文書「17. 臨床成績」(鳥居薬品、2023年7月改訂)
ミティキュアの同種同効薬としてはアシテアがあり、どちらもヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニを50%ずつ含みます。両剤は抗原量の単位表記が異なり(アシテアはIR、ミティキュアはJAU)、単純な数値の大小では比較できませんが、共通の単位(JAU)に換算すると、アシテア維持量(300単位/IR、約57,000JAU相当)はミティキュア維持量(10,000JAU)の約5.7倍の抗原量に相当します※。ただし、抗原量が多いことがそのまま治療効果の高さを意味するわけではなく、両剤の臨床試験における鼻症状スコアの改善度はおおむね同程度と報告されています。どちらの治療薬を選択するかは、抗原量の違いによる副反応リスクと治療効果とのバランスを踏まえ、医師が判断します。
※出典:各剤添付文書に基づくJAU換算値(アシテア添付文書、ミティキュア添付文書)
対象となる疾病・症状
ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎(ダニを原因とするアレルギー性鼻炎)
ミティキュアに期待できる効能・効果
効能・効果
ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法
効能・効果に関する使用上の注意
・皮膚反応テスト(スクラッチテスト・プリックテスト、皮内テスト)または特異的IgE抗体検査により、ダニアレルギー性鼻炎の確定診断を行った後に投与を開始してください。
・ダニ抗原以外のアレルゲンに対しても反応性が高い(特異的IgE抗体価が高い)ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していません(使用経験がありません)。
ミティキュアの服用方法
- 通常、投与開始後1週間はミティキュアダニ舌下錠3,300JAUを、投与2週目以降はミティキュアダニ舌下錠10,000JAUを、初回は医療機関で服用し、2日目からは自宅で服用します。
- 1日1回1錠を舌下に置き、1分間保持した後に飲み込んでください。
- その後5分間は、うがいや飲食をしないでください。
- 副作用がおこるおそれがあるので、服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けるようにしてください。
その他の注意
・投与により喘息発作を誘発するおそれがあるため、重症の気管支喘息患者への投与は禁忌となっております。
・他の減感作療法薬との併用の経験はありませんが、併用によりアナフィラキシー等のアレルギー反応を含む副作用の発現が増加するおそれがあることから、併用する場合には十分注意してください。
・小児に対しては、適切に舌下投与できると判断された場合にのみ投与できますが、5歳未満の幼児に対する安全性は確立していません。また、保護者等に対しても適切な投与方法を指導すること。
・初回投与時は医師の監督下でショック、アナフィラキシー等の発現時に救急処置のとれる準備を実施した上で、投与後少なくとも30分間は安静にしてください。
・ミティキュアを誤って多く服用してしまったり、飲み忘れたりした場合は、次のように対処してください。いずれの場合も、決してその日の分より多く服用しないでください。
①誤って多く服用してしまったとき
・直ちに吐き出し、うがいをしてください。
・翌日、改めて前日の用量を服用してください。
② 1分間保持できず、飲み込んでしまったとき
・その日は再度服用しないでください。
・翌日、改めて前日の用量を服用してください。
③ 服用し忘れたとき
・その日のうちに気がついた場合、その日の用量を服用してください。
・翌日に気がついた場合、前日の用量を服用してください。
・服用したか不確かな場合、その日は服用しないでください。
ミティキュアの主な副作用
ミティキュアの頻度の高い副作用
次の副作用が5%以上の頻度で生じる可能性があります。症状が重篤な場合には服用を中止してください。
・口腔腫脹・浮腫、口腔そう痒症、口腔内不快感、口の錯感覚
・咽喉刺激感、咽喉頭不快感
・耳そう痒症
ミティキュアの重大な副作用
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあります。血圧低下、呼吸困難、全身潮紅、顔面浮腫・咽頭浮腫等の血管浮腫、蕁麻疹、息苦しさ、喘息症状等の異常が認められたときは、服用を中止し、直ちに適切な処置が必要です。
服用後に、息苦しさ・全身のかゆみや潮紅・顔やのどの腫れ・めまい・血圧低下などが現れた場合は、服用を中止し、直ちに救急医療機関を受診してください。急速に悪化する場合は119番に連絡してください。
※警告・禁忌を含む使用上の注意等は製品添付文書をご確認ください。
ミティキュアのオンライン診療との相性
ミティキュアを使用したダニアレルギーに対する舌下免疫療法は、3~5年という長期間にわたって服用を継続する必要があり、薬剤の処方は基本的に1ヶ月分ごととなるため、頻繁に医療機関を受診しなければならないのが特徴です。
仕事や育児等で通院の時間を確保しづらく、ミティキュアの処方を受けるためだけに医療機関を受診することの負担を感じる患者も少なくありません。治療中に服用を長期中断してしまうと、せっかく得られていた治療効果が振り出しに戻ってしまうのが一般的とされているため、これまで治療を継続していた患者の服用中断については、患者のQOL向上の観点からも、それまでに要した医療費用の観点からも、大変もったいない状況といえます。
ミティキュアを使用したダニアレルギー治療の初診については、確定診断のためのアレルギー検査や初回服用における副作用発現状況の確認が必要なため、対面診察が必要です。しかし、2回目以降の診察については、対面診察以外にもスマートフォンやパソコンのビデオ通話機能を使用したオンライン診療を活用することで、症状や服用状況、副作用の発現状況等の確認が可能です。
このように、ミティキュアによる舌下免疫療法とオンライン診療を組み合わせることで、院内感染への不安を理由に受診を控えていた患者が治療を継続しやすくなるほか、通院負担の軽減による服薬アドヒアランス(治療継続率)の向上が期待できます。
参考文献
・ミティキュアダニ舌下錠3,300JAU/10,000JAU 添付文書(2023年7月改訂)(PMDA医療用医薬品情報)
・ミティキュアダニ舌下錠 再審査報告書(2024年12月25日付)(PMDA公開)
・患者向け資材「ミティキュアによる治療をはじめる患者さんへ」(鳥居薬品)
【執筆者】

薬剤師:大西真理
ドラッグストア併設調剤薬局の薬剤師。薬局長として薬局全体の管理、教育等に従事し、管理薬剤師としても活躍。広域病院から地域密着型クリニックまで幅広い内容の処方箋応需経験を持つ。
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