遠隔診療従事者研修とは

  • 【読み】 えんかくしんりょうじゅうじしゃけんしゅう
  • 【呼称】 

 


医療におけるICTの利活用

最近よく耳にするICTという言葉。日本語では「情報伝達技術」と訳され、「Information and Communication Technology」の略です。

 

遠隔診療の変遷

医療分野のICT利活用としては1970年代のレセプト請求がコンピューター化から1999年の電子カルテの導入、さらに2010年にはクラウド型電子カルテと変遷を遂げています。
いずれも厚生労働省の後押しがきっかけとなっており、ICTの利活用は厚生労働省が先導をきって勧めています。
遠隔診療の推進もそのなかのひとつで、1996年に厚生労働省で遠隔医療研究班が立ち上がりました。1997年に離島やへき地での遠隔診療がみとめられ、また、ICTの技術進歩とともに2015年には遠隔医療の適応がへき地のみだけでないことが明確化されました。
2018年には「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が出されたことで、離島やへき地だけでなく、日常的な診療についてもルールが示され、オンライン診療料が設けられたことで遠隔診療の普及拡大を後押ししたといえます。2022年1月に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改訂・同年4月に診療報酬の改定がなされ、初診解禁、適応可能な疾患の拡大、再診料・外来診療料の対面診療との同点数化が決まり、患者さんがより適切にオンライン診療を受けることができる環境が整備されています。

 

遠隔診療の現状

ICT技術の発展と医療現場のニーズがあるにも関わらず、遠隔診療の普及が追いついていないという現状があります。
遠隔診療によるセキュリティの問題や通信環境などのインフラ整備、診療の質などの課題、問題点が懸念されており、それらを解決していく必要があります。
また、医療者、その他遠隔診療に関わるすべての人の、遠隔診療に対する理解、認知度が普及大きく影響しています。
遠隔診療に対する理解を深め、普及につなげる取り組みのひとつが遠隔診療従事者研修といえます。

 


オンライン診療が学べる遠隔診療従事者研修

厚生労働省事業として2014年から遠隔医療従事者研修が行われています。

 

なんのための研修?

遠隔医療システムを臨床に取り入れることで医療サービスの質の向上が期待できます。遠隔診療普及のための課題のひとつとして認知度があげられます。医療者、患者ともに遠隔診療に対する理解を深めるための研修です。

 

だれがうけられる?

遠隔診療に関心があるひとであれば誰でも研修をうけることができます。研修によっては、誰でも参加できるものと医師のみを対象としたプログラムと分けている場合もあるようです。
しかし、基本的には医療者、介護者、遠隔診療に携わる人の他、遠隔診療に関心をもつ国民すべてを対象としています。

 

どこでうけられる?

毎年、厚生労働省が遠隔医療従事者研修事業実施団体を公募しています。これまでに研修を請け負った団体としては、日本遠隔医療協会、日本遠隔医療学会などがあげられます。厚生労働省のホームページにも公募について記載していますが、遠隔診療従事者研修の実施団体のホームページから研修内容についても確認することができます。

 

【執筆者】


医師:木村眞樹子
都内大学病院で循環器内科および内科として在勤中。 内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。

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