マンジャロ皮下注(一般名:チルゼパチド)とは
- 【読み】 まんじゃろひかちゅう
- 【呼称】 -
概要
マンジャロ皮下注は、チルゼパチドを有効成分とする、2型糖尿病治療薬です。体内のGIP(グルコース依存性インスリントロピックポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)という2種類のインクレチンホルモンの受容体に作用する、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。インスリン分泌の促進、グルカゴン分泌の抑制などの作用により、血糖コントロールを改善します。
本剤は自己注射可能な製剤で、週に1回皮下注射します。投与量が段階的に増量される6種類のキット(2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg)があります。
対象となる疾病・症状
2型糖尿病
マンジャロに期待できる効能・効果
2型糖尿病における血糖コントロールの改善
マンジャロの使用方法
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5mgを維持用量とし、皮下注射します。
ただし、週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量します。
なお、患者の状態に応じて適宜増減しますが、週1回5mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量します。ただし、最大用量は週1回15mgです。
用法・用量に関する使用上の注意
(1)本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
(2)投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(3)次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(4)週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
(5)胃腸障害等の発現により忍容性が得られない患者では減量又は漸増の延期を考慮すること。
その他の主な注意
・本剤の適用は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
・本剤はインスリンの代替薬ではないこと。
・急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。
・下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるため、患者の状態に注意すること。
・過度の体重減少がみられた場合は、本剤の減量又は投与中止を考慮すること。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。
・経口避妊薬と併用する場合、特に投与開始初期又は漸増後初期では経口避妊薬の効果を減弱させるおそれがあるため、注意すること。
マンジャロの主な副作用
悪心、下痢、便秘、嘔吐、食欲減退腹痛、腹部膨満、消化不良、胃食道逆流性疾患、疲労、適用部位反応など
マンジャロの重大な副作用
・低血糖(脱力感、高度の空腹感、冷汗、動悸、めまい等)
・急性膵炎(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)
・胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
・アナフィラキシー、血管性浮腫
・イレウス(腸閉塞を含む。高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等)
※警告・禁忌を含む使用上の注意等は、必ず製品添付文書をご確認ください。
マンジャロのオンライン診療との相性
マンジャロによる2型糖尿病治療は、血糖、尿糖などを定期的に検査し、薬剤の効果を確かめながら進める必要があることから、オンライン診療サービスだけで治療をすることは望ましくありません。また、本剤は自己注射薬であり、注射方法や副作用に関する十分な指導が求められます。
一方、オンライン診療サービスは、定期的な通院が必要な慢性疾患の治療において、患者さんの通院負担の軽減に役立ちます。特に、週1回の注射薬であるため、来院の手間を減らすことは服薬アドヒアランス(治療の継続)の向上を支えることが期待されます。
ただし、糖尿病治療においては、対面での血液検査や合併症の評価も重要であり、また自己注射の指導も伴うため、オンライン診療の導入・継続にあたっては、医師による適切な患者選定、注射指導、厳格な管理指導の下で行われる必要があります。また現時点(※)においては、対象疾患は2型糖尿病のみであり、肥満症治療やダイエット目的で使用することは避けることが求められます。
※2025年10月末現在
【参考文献】マンジャロ皮下注 添付文書(KEGG MEDICUS 医療用医薬品 : マンジャロ)
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