ウゴービ皮下注(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))とは
- 【読み】 うごーびひかちゅう
- 【呼称】 -
概要
ウゴービ皮下注は、GLP-1受容体作動薬である「セマグルチド(遺伝子組換え)」を有効成分とする、肥満症治療薬です。体内のインスリン分泌や血糖値を調節するホルモンであるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)と同様の作用を持ち、食欲を抑え、胃内容物の排出を遅らせることで、体重減少を促します。
本剤は自己注射可能な製剤で、週に1回皮下注射します。投与量が段階的に増量される5種類のキット(0.25mg、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mg)があります。
対象となる疾病・症状
肥満症
ただし、以下のいずれかの条件を満たす場合に限ります。
・BMIが27以上であり、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、かつ2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35以上
ウゴービに期待できる効能・効果
肥満症の改善
ウゴービの使用方法
通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射します。その後は少なくとも4週間の間隔をおいて、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射します。なお、患者の状態に応じて適宜減量します。
用法・用量に関する使用上の注意
(1)同一曜日に投与すること。
(2)投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(3)次回投与までの期間が2日間(48時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(4)週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
(5)胃腸障害等の発現により忍容性が得られない場合は、減量又は漸増の延期を検討すること。
(6)あらかじめ肥満症治療の基本である食事療法・運動療法を行っても、十分な効果が得られない場合で、薬物治療の対象として適切と判断された患者のみを対象とすること
その他の主な注意
・本剤投与中は、食事療法・運動療法を継続すること。
・定期的に体重、血糖、血圧、脂質等を確認し、3~4ヵ月間投与しても改善傾向が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。
・急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。
・下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるため、患者の状態に注意すること。
・妊婦、妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、2ヵ月以内に妊娠を予定する女性では本剤の投与を中止すること。
ウゴービの主な副作用
悪心、下痢、嘔吐、便秘、食欲減退、頭痛、浮動性めまい、味覚不全、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、おくび(げっぷ)、消化不良、胃腸炎、心拍数増加など
ウゴービの重大な副作用
・低血糖(脱力感、高度の空腹感、冷汗、動悸、めまい等)
・急性膵炎(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)
・胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
・イレウス(腸閉塞を含む。高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等)
※警告・禁忌を含む使用上の注意等は、必ず製品添付文書をご確認ください。
ウゴービのオンライン診療との相性
ウゴービ皮下注による肥満症治療は、治療の基本である食事療法・運動療法の継続が大前提であり、定期的な体重、血圧の確認、また、血液検査での血糖やコレステロールなどの確認が必要です。
オンライン診療サービスは、定期的な通院が必要な治療において、患者さんの通院負担の軽減に役立ちます。特に、体重管理は長期的な継続が重要となるため、忙しい方や、クリニックから遠方に住む方にとって、オンラインでの診察は服薬アドヒアランス(治療の継続)の向上を支えることが期待されます。
しかし、ウゴービは、重篤な副作用として急性膵炎や低血糖などがあるため、オンライン診療で導入・継続する場合においても、医師による適切な患者選定、投与方法や副作用に関する十分な指導、そして厳格な管理指導の下で実施される必要があります。
【参考文献】 ウゴービ皮下注 添付文書(KEGG MEDICUS 医療用医薬品 : ウゴービ)
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