SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とは

  • 【読み】 えすえすあーるあい
  • 【呼称】 -

概要

SSRIとは「Selective Serotonin Reuptake Inhibitor(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」の略称です。SSRIの作用機序としては、一度放出されたセロトニンの細胞内への再取り込みを阻害することで脳内のセロトニン濃度を上昇させ、神経伝達をスムーズにし、抗うつ作用および抗不安作用を示すと考えられています。

通常、成人ではうつ病・うつ状態の患者の治療に用いられ、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害への適応を有する製剤もあります。

 

SSRIの主な副作用や注意点

吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が現れることがあります。眠気、めまい、頭痛などの精神神経系症状が現れることがあるため、自動車運転など危険を伴う作業は従事させない、または十分な注意が必要です。また頻度は稀ですが、不安やイライラなどのセロトニン症候群、勃起障害などの性機能障害が起こることもあります。

SSRIを長期服用後に急に中止(断薬)すると、頭痛、めまい感、全身倦怠感などの離脱反応が生じることがあるので、ゆっくり減量していく必要があります。離脱反応は1回の飲み忘れでも出現することがあるので、飲み忘れないことも大切です。

 

SSRIの主な薬剤の種類

・デプロメール(一般名:フルボキサミンマレイン酸塩)

 1999年 5 月発売

・ルボックス(一般名:フルボキサミンマレイン酸塩)

 1999年 5 月発売

・パキシル(一般名:パロキセチン塩酸塩水和物)

 2000年11月発売

・ジェイゾロフト(一般名:塩酸セルトラリン)

 2006年7月発売

・レクサプロ(一般名:エスシタロプラムシュウ酸塩)

 2011年7月発売

 

SSRIとSNRIとの違い

抗うつ薬のうち、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は主にセロトニンだけを増強する薬剤です。一方、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)はセロトニンだけでなく、ノルアドレナリンも増やします。

SSRIとSNRIの明確な使い分けは難しいとされていますが、併用して使用するよりも1剤ずつ効果を確認し、効果がみられなければ別の薬剤に切り替えるということが大事です。

 

SSRIのオンライン診療との相性

もともと、精神科領域は医師と患者のコミュニケーションが治療の中心です。特に、通院が精神的負担となってしまう患者さんの治療継続や、自宅での患者さんの様子把握といった点で、オンライン診療と相性が良いとされています。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のアドヒアランスを維持するために、オンライン診療は有用であると考えられます。

 

【参考文献】
デプロメール 添付文書(2019年1月改訂(第29版))
ルボックス 添付文書(2019年3月改訂(第36版))
パキシル 添付文書(2018年12月改訂(第30版))
ジェイゾロフト 添付文書(2018年2月改訂(第14版))
レクサプロ 添付文書(2018年11月改訂(第8版))

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