アンジュ21・28(一般名:レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール)とは
- 【読み】 あんじゅ21・28
- 【呼称】 -
概要
アンジュ21・28は、有効成分のレボノルゲストレル(黄体ホルモン)およびエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)の作用で、主として排卵を抑え、子宮内膜変化により着床を抑え、頸管粘膜変化により精子通過を阻害して避妊効果を発揮する低用量ピルと呼ばれる経口避妊薬(OC)です。生理的なホルモン分泌に合わせて錠剤のホルモン含有量を三相に調節しています。
アンジュと同一成分の薬剤に、トリキュラー21・28とジェネリック医薬品のラベルフィーユ21・28があります。
使用に際しては、経口避妊剤はHIV感染(エイズ)及び他の性感染症(例えば梅毒,性器ヘルペス,淋病,クラミジア感染症,尖圭コンジロー マ,腟トリコモナス症,B型肝炎等)を防止するものではなく、そうした感染症予防にはコンドームの使用が有効であることを服用者に十分に説明しつつ、必要に応じて性感染症検査の実施を考慮してください。
対象となる疾病・症状
避妊
アンジュに期待できる効能・効果
避妊効果
効能・効果に関する使用上の注意
経口避妊剤使用開始1年間の飲み忘れを含めた一般的使用における失敗率は9%との報告があります。
アンジュの服用方法
1周期目は1日1錠を毎日一定の時刻に赤褐色錠から開始し,指定された順番に従い21日間連続経口投与し,7日間休薬します(アンジュ28錠の場合は28日間連続経口投与)。
2周期目は,1周期服用開始29日目より1周期目と同様に赤褐色錠から1日1錠を21日間連続投与し、7日間休薬します。 3 周期目以降は 2周期目と同様に投与します。
用法・用量に関する使用上の注意
(1)毎日一定の時刻に服用させること.
(2)服用開始日について:経口避妊剤を初めて服用させる場合,月経第1日目から服用を開始させます。服用開始日が月経第1日目から遅れた場合,飲みはじめの最初の1週間は他の避妊法を併用させます。
その他の注意
・本剤の投与にあたっては飲み忘れ等がないよう服用方法を十分指導してください。万一飲み忘れがあった場合は製品添付文書の指示に従ってください。なお,飲み忘れにより妊娠する可能性が高くなるので,その周期は他の避妊法を使用させるようにしてください。
・服用中に激しい下痢,嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあります。その場合には妊娠する可能性が高くなるので,その周期は他の避妊法を併用させてください。
・年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告があるため、本剤服用者には禁煙するよう指導するようにしてください。
アンジュの主な副作用
不正子宮出血、乳房痛、悪心、嘔吐、頭痛
アンジュの重大な副作用
血栓症(四肢,肺,心,脳,網膜等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、下肢の急激な疼痛・腫脹,突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
※警告・禁忌を含む使用上の注意等は製品添付文書をご確認ください。
アンジュ錠21・28のオンライン診療との相性
低用量ピルをコンスタントに服用するためには定期的に通院し医師の処方を受けることが必要ですが、ピルを服用する年代の女性は学業・仕事など日々の生活で忙しく、思うように来院の時間を作れない場合があります。また、産婦人科を受診するところを人に見られることに抵抗を感じ、それが心理的障壁となって通院を負担に感じる患者もいます。オンライン診療は、こうした通院負担の軽減に役立ちます。薬の処方だけでなく、患者が通院できなくても、飲み忘れた場合の対処方法や、飲み方を変えたい場合の相談窓口となることができ、女性の悩みに寄り添うことにも繋がります。
また、低用量ピルはインターネットでも購入できるため、安易なピルの購入や不正に販売された輸入品や未承認の製剤、偽物の医薬品などの購入を防ぐことにも繋がるかもしれません。そのほか、医療機関にとっては、例えば引っ越しなどでクリニックから離れてしまった患者に対して引き続きかかりつけ医として治療を継続できるというメリットがあります。
このように、アンジュ錠21やアンジュ錠28などの低用量ピルとオンライン診療を組み合わせることで通院負担が軽減され、低用量ピルの安全な服薬と患者の服薬アドヒアランス向上を支えることが期待されています。
【参考文献】
アンジュ 添付文書(2016年 4 月 改訂(第13版))
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