「オンライン診療は、集患や業務効率化に効果があるのか?」医師の声から事例を紹介

Editorial team MICIN

はじめに:オンライン診療で何を実現するのか

オンライン診療は、患者への診療を円滑に行うための一つのツールといえます。

オンライン診療の活用方法は、医療機関それぞれが持つ課題や、目指したい姿によって変わっていきます。

弊社はオンライン診療サービスを医療機関へご案内していますが、オンライン診療導入に際して医療機関の方々から下記のような関心を寄せられることがあります。

・「業務効率化ができるのか」
・「集患に効果はあるのか」

このような経営面での課題を解決できるようなメリットは、オンライン診療で享受できるのでしょうか?

そこで、今回の記事では、上記2つの観点についてクロンユーザーへのインタビューを通した事例を交えながら考えていきましょう。

①業務効率化について

オンライン診療を利用することで、クリニックの業務が効率化されることはあるのでしょうか。ここで、とあるクリニックの院長から寄せられた”スタッフに負担をかけずにオンライン診療を実施している事例”をご紹介します。

 

「私は週に一度、オンライン診療を実施する時間を決めて対応しています。はじめはスタッフに手伝ってもらっていましたが、操作を覚えた今では自分一人でも診察可能になりました。無理にスタッフの労働時間を増やすことなく患者さんの診察が行えるため、クリニックの労働力として医師以外の負担が増えることがないようにしています。今後の期待として、オンライン診療を行う日にはスタッフを早く帰すことを実現していきたいです。」

 

このように、診療時間外に医師が一人でオンライン診療に関わる業務を対応しているクリニックもあります。オンライン診療の業務に慣れるまでは一時的に負担が上乗せされてしまうものの、一度定着したあとはスタッフの労働時間の負担を増やすことなく患者の診察を行うことができるため、スタッフの負荷を増やさない効率的な診療が可能になりそうです。

「オンライン診療でも患者さんの登録や問診の確認、診察後の処方せん郵送などは作業が必要ですが、それらはスタッフが空いている時間に対応してもらうことができるので、業務負荷が分散されることも、オンライン診療のメリットだと感じました。今後、オンライン診療が患者さんの間で当たり前になっていけば、業務効率改善は実現できる可能性があります。」

 

また、このような方法でオンライン診療を運営している医院には、患者からどのような評判が届いているのでしょうか。

 

「クロンで患者さんを診た場合、定着率自体は決して悪くありません。むしろ手軽で便利に診療を受けられるということで、患者さんからの評判はとてもいいです。また、患者さんの自宅での様子がわかるため、通常の対面資料では得られない患者さんの情報がわかることは、思いがけないメリットでした。」

 

患者の通院負担が軽減されるため、患者としても通院のハードルが下がり継続的な診察を受けるモチベーションが生まれているようです。さらに、患者の自宅での様子などがビデオ通話を通じて得られるため、より患者のことを理解した上で診察ができるという声が寄せられています。

 

(スタッフ補足:クロンでは患者のヘルスデータ(血圧や血糖値など)と連携し、オンライン診療時に参照することができます。自宅でリラックスしている状態や夜間の状態など、多様なシチュエーションで計測された数値をクロン上で得られるため、より診療の内容を充実させることができるケースがあります。)

クロン上で確認できる患者データ例。(患者がクロンとのデータ連携を許可している場合に限ります)

 

② 集患について

次は、オンライン診療が集患に効果的かどうかについて考えていきます。

上記の図は、Googleで「オンライン診療」「遠隔診療」という単語がどれだけ検索されているかを示したものです。(2018年3月は診療報酬改定が行われたため、検索回数が増えています)このように、「オンライン診療」「遠隔診療」そのものの認知度が患者の間で高いとは言えず、「オンライン診療」を求めて検索する患者の数は多くないのが現状です。インターネットで情報収集する患者に対して「オンライン診療を導入したことが即座に新規集患に期待できる」かといえば、現状では難しい段階ではありそうです。

その上でクロンを使用する医師に「集患」という観点からオンライン診療を利用する価値を感じるかどうか、インタビューしてみました。

 

「たしかに即効性があるとは言いがたいですが、利用者の満足度は高いため、既存患者さんのリピート率向上には大きく貢献できると思います。オンライン診療を適用した患者さんには、治療脱落・自己中断のケースが減少しているので、現時点でも集患というよりかは、患者さんの離脱防止という効果を感じることはできています。今後この波が新規獲得にも活きることを期待していますし、この点クロンはコストがかからないため、中長期的に効果を待つことができますね」

 

「また、『オンライン診療を取り入れている=先進的なことに積極的に取り組んでいる』と受け取ってくださる患者さんも多く、クリニック自体のブランディングにも一役買っているのではと感じます」

 

今はまだ直接的な集患効果を感じる段階ではないものの、今後、オンライン診療に関して患者の間での認知が広まってきた場合には、新規患者を集めるアプローチも期待できるのではないでしょうか。

 

まとめ

今回インタビューに協力していただいた両クリニックとも、クロンは初期費用・月額固定費用が無料でランニングコストがかからないため、短期的なメリットだけではなく、中長期的なメリットをクロンに期待されています。今後、オンライン診療の普及が進み、今よりももっと多くの患者が「オンライン診療」を認知していく未来においては、早期にオンライン診療を導入したクリニックに業務効率化や集患でのメリットが享受できる可能性が期待できるでしょう。